インタラクティブインスタレーション
Hyperscratch ver.9 200 bells
1999

  この作品は空間で手を動かすとによって光と音を操作することができる、インタラクティブなインスタレーションである。

 参加者の前には見えない立体的なインターフェース存在している。インターフェースには横に8列、縦に5列、前後に5列の計200個の見えないスイッチがあり、参加者の手がそれぞれのスイッチに触れることによって、前方に配置されている光と音を出す装置を操作することができる。参加者の前には高さ8フィート、幅約13フィート、奥行き8フィートの枠組みがあり、その中にインターフェース内の見えないスイッチと同じ構成で、横に8列、縦に5列、前後に5列の計200個の、モーターと銅のパイプ、電球等でできた音と光を出す装置が配置されている。参加者が見えないスイッチに触れることによって、それぞれのスイッチに対応した位 置にある部分の装置から音と光を発生させることができる。

 手の動きは参加者の前と横にあるカメラによってとらえられ、それをHyperscratch Controller(自作)を通して位置情報としてコンピュータに送られ後MIDI信号に変換され、そのMIDI信号はMIDI Relay DriverによってRelayのスイッチをONにしたりOFFにしたりすることによって、電球を点灯したり、銅でできたパイプを打ちならモーターを動かしたりする。

 この作品がめざしているものは、誰もが自由に、直感的に三次元的に操作できるインターフェースを開発することと、そのインターフェースによって三次元的に空間に配置されている装置を操作することによって音と光を出すことである。

インターフェースは三次元的に空間に存在し、その中で特別な装置を手に持つことなく素手で自由に操作することができるため、参加者は自由に、何の束縛も無く、直感的にこの作品を操作することができる。また動かす対象も三次元的に空間に広がっており、素手で自由に、離れた空間に存在している機械的な装置を操作する新しい体験を提供することができる。また動かす対象や出る音はコンピュータによって作り出されるものではなく、電球の光と、銅でできたパイプをモーターで打ちならすことによって作り出される音であるので、コンピュータやデジタル機器によって再生された映像や音に慣れてしまった人々には新鮮に感じられるであろう。

 手の動きを検知したり、音と光を出す装置を動かすためには、コンピュータ等のデジタル機器が使用されているが、それらのものは参加者の目に触れることは無い。この作品においては主役は参加者の肉体的行為と、電球の光と銅のパイプを打ならす事によって出されるシンプルだが深みのある音と光である。これはコンピュータ等のハイテク機器はあまり表面 に突出すすることなく、人間生活を陰から支えるべきものであるとういう私の哲学を象徴的に表現している。

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